宮古簡易裁判所 事件番号不詳 判決
主文
被告人に対し刑を免除する。
理由
被告人は其の父後山長七が宮古市大字重茂字〓山国有林宮古経営区十六林班を小班から盗伐し同国有林内に置いた楢其の他の濶葉樹合計二十七石(見積価格合計五千八百余円相当)を其の情を知り乍ら同一犯意の下に昭和二十九年一月中数回に同市大字同字袰鞍なる被告人の製炭窯え運搬した。
以上の事実は被告人の公判廷に於ける供述と農林技官刈屋行雄の森林窃盗被疑事件捜査報告と題する書面の謄本とに拠つて認定する。
被告人の行為は森林法第百九十七条に該当する一接犯たるところ刑法第二百五十七条は犯人庇護の一場合で同法第百五条と其の立法の趣旨を同じうし唐律其の他の古法に存した親族互に容隠することを不論罪とし又は刑を軽減する思想に出由するもので森林窃盗の賍物運搬の場合にも敢えて其の適用を排除しないと解する。仍つて主文の如く判決する。
(昭和三〇年七月四日宮古簡易裁判所)